先日お友達がアカデミー賞を受賞した「Brokeback Mountain」という映画のDVDを持って来て下さいました。お友達は映画館で見た時大泣きをして、映画が終わったとき目が真っ赤で恥ずかしかったと言っていました。それ程に感動の映画だから是非見なさいと。

ちょっとショックなシーンがあるかもしれないけど、主人公の二人がテントに入る時は5分間位とばして見なさい...という注釈までつけて。

流石に受賞しただけあってともて良い映画です。
ところが私は涙は出ませんでした。
同性愛をテーマにしてこの様な筋書きは初めての映画ではないでしょうか。1970、80年代は人種差別をテーマにした映画が結構ありましたけど、最近は人種問題で大きなニュースになる事件も聞きません。ところが同性愛への偏見はまだまだ根強いものがあります。特に保守派が多い州では。それ故、多くの人の心を動かして、受賞にも至ったのでしょう。そして主人公達と同じ悩みを持つ人達が多いという事もあります。

私はカルフォルニア州、しかも同性愛人口の多いサンフランシスコに近いせいもあり、完全に免疫になっています。偏見は皆無です。そして同性愛は選択ではなく、生まれつきのものであると信じています。

で、映画の話に戻りますが、

なぜ涙腺のゆるい私が涙が出なかったかと考えてみました。
もしもし、この二人が男と女と仮定して、家族のしがらみで結ばれる事無く、それぞれに違う伴侶を持ち、それでもお互いを忘れられず、何年か後に密会するとします。 そして又何年か後に再会の約束をしてその日を待ち望んでいた。

そんなストリーであったら、きっと泣いていたのかもしれない。いや、それだったら涙がでる。
やはり今ひとつ完全に同性愛の気持ちになりきって映画を鑑賞するというのは難しいみたいです。

お友達から「夕食後DVDを取りに来る」とお電話があったので、映画のお礼に苺ロールケーキを焼きました。そして夕食後又映画の話になりました。

お友達は、はっきりと語られていないけど、色々な場面で何が起ったのかが示唆されているといいます。その示唆された筋書きをここで書くとまだ見ていない方に悪いのであえて書きませんが、私はその示唆に気が付いていないところもありました。それで彼曰く、「もう一度見なさい。」

そして「イニスが車のボンネットを開いて閉じる場面があるけど、あの場面でイニスはピシッとボンネットを閉じていないのに次の場面ではボンネットがちゃんとしまってるから、それも見逃さないでね。」

はい、今晩もう一度見ます。 

何度見ても多分完全に主人公の気持ちにはなれないかもしれません。
今夜は結局お友達はケーキだけ持って帰りました。