アメリカ市民権の申請を出してから約1年。
その間に指紋を取る予約を忘れてすっぽかしたり、息子の結婚式や日本行きの個人的用事で面接を2回も延ばしてもらったりで随分時間がかかりましたが、いよいよ今日は最終面接でした。

面接時刻は8時15分AM。6時半に目覚ましで起きて、コーヒーをいれて、サーモカップに入れて、バナナを抱えて家を飛び出し、ヤフー地図を見ながらやっと移民局に到着したのは8時5分。

入り口のガードマンに携帯電話は車に置いてくるように言われ、戻ってセキュリティーを通ったら今度はX線検査でハンドバックのバナナが引っかかってしまいました。これも車に置いてくるか捨てろといわれてバナナを断念。面接時間が迫っていたし。

待合室は一杯でしたが、座った途端私の名前を呼ばれました。試験官は東南アジア人でモデルの様な美女。個室に連れていかれ、提出した書類に目を通しながら、質問。

真実を語ると約束できますか。
 イエス

逮捕された事がありますか。
ノー。

麻薬の密輸をした事がありますか。
ノー。

税金の滞納がありますか。
ノー。

不正移民を手伝った事がありますか。
ノー。

テログループに関係していますか。
ノー。

国の為に武器をもてますか。

(沈黙)

 …つ つ つまり…戦争があったら戦えるかって事?
アメリカの為に戦争で戦えるかって事ですよ。

は はい。 

紙上ではアメリカ市民になるけれど、私の心は一生日本人です。そんなに簡単にアメリカの為に武器は持てない。最初に真実だけを語れといったのに私は嘘をついてしまった…そんな事が頭の中で渦巻いていました。

アメリカ市民権獲得の為の面接なら、だれがここで「NO」と言えるでしょう。もし私が「分からない」とか「いいえ」と言っていたらどうなっていたのでしょう。

面接が終わって待合室を通り抜ける時、この人達も同じ質問をされる時どんな気持ちで「イエス」と言うのかなあと思ってしまいました

命からがら逃げて来たベトナムの難民は心からアメリカ人になりたいと思うのでしょうか。他国の方達の気持ちは私には想像できませんが、私と同じ気持ちであって欲しいなあと思いました。連帯罪意識というか…。罪意識というのはやむなく外国の国籍を取るという事、武器を持てると嘘をついた事。