我子供達が通った市立の小学校、中学校には
Natural Resource ClassというのとGate Programというのがありました。

前者はお勉強が遅れがちの子供を助ける補助学習のクラス。
後者はお勉強が良くできる子供に更に進んだ教材を与えるクラス。

真実は決してそうではないのですが、一般に

前者は頭の悪い子のクラス
後者は頭の良い子のクラス

という認識を持たれているようでした。

我息子は小学校4年の時に担任の先生から宿題の提出を良く忘れるので前者のクラスに入れたいとお話がありました。
息子は宿題が面倒というわけではなくて宿題を出されている事自体を把握していないようでした。つまり先生の言うことを聞いていない。注意がどこかに行っている状態。
話を聞くと、補助学習のクラスは一日に一時間、教師の免許を持つ熟練の先生が家庭教師のようにお勉強をみてくれるというシステムです。しかも無料で。これは有難い話なのだと納得して、息子は毎日朝10時になると、補助学習のクラスからお呼びがかかり、クラスメートから離れて別の部屋で1時間のお勉強が始まりました。

小学校から中学に行く時に、担任の先生、補助学習の先生、心理学の先生、私達夫婦5人が集まり、中学でもこの補助学習を継続するかが話し合われました。補助学習の先生は強く継続を勧めます。担任の先生は補助学習を取ったから成績が上がったと信じていました。心理学の先生は成績は心配はないので選択は私達両親次第と言われました。

無料で家庭教師をして下さる親切なシステムだと信じていましたから迷わず私達は継続をお願いしました。

そして高校に進学する時、今度は各学科の先生方6人と私達両親8人が集まり、高校でもこの補助学習を継続するかどうかの話し合いが持たれました。前2回の話し合いと違ったことは、今回は15歳になった本人、息子が途中から話し合いに参加したことです。

その話し合いでは本人の強い希望で高校での補助学習は打ち切る事になりました。

息子は小学校、中学、高校、自分は頭が悪い子とず〜っと思っていたといいます。この特別のクラスに自分だけが行かされるのは相当に頭が悪いからだろうと思っていたそうです。そういう気持ちが根底にあったのか、自信がなく、恥ずかしがり屋で消極的な大人しい子でした。そんな息子が変わってきたのは大学に入ってからです。

親としてもう少ししっかりしたコミュニケーションができていたらこんな思いをさせなくても良かったのにと自分の腑甲斐無さを思う時があります。

小学生でもNatural Resource Classのクラスに呼ばれる子供の気持ちとGate Programに呼ばれる子供の気持ちには複雑な違いがあったのでしょう。

では又同じ事が起きたら、子供を補助学習のクラスに入れるかと聞かれたら、多分入れます。子供なりに学校の宿題はしなくてはならないものと分り、自分は人の倍努力をしないといけないと思ったと本人がいいます。でも中学から必要ないと言われた時点では息子に相談するべきだったのかも。

息子はChiblits家の中で一番努力家です。でも劣等感は随分長く続いたようでした。