FDAがアメリカの食品メーカーに部分水素化油脂(トランス脂肪酸)の使用量を表記することを義務付けたのは2年前からです。
表示を義務付けた為に、消費者の認識も高まり、以前の様に使われなくなってきました。
最近は殆どの加工食品に「No Trans Fat(トランス脂肪酸0g)」の表示を見ます。嬉しい事です。
ニューヨーク市のレストランでは部分水素化油脂(マーガリンとかショートニング)の使用が禁止されました。

先日スーパーに行ってショートニングをちらりと見たら、
何と!ショートニングにも大きく「No Trans Fat(トランス脂肪酸0g)」の表示があるではないですか!ショートニングに部分水素化油脂が使われていないって? あれは殆ど部分水素化油脂でできており、トランス脂肪酸を代表する食品だというのに。

あり得ないと思って良く原料を見ると、一番に水素化油脂(fully hydrogenated oil)と書かれてあります。
部分水素化油脂( partially hydrogenated oil)ではなくて水素化油脂( fully hydrogenated oil)です。
ひゃ〜つまり、
部分水素化油脂はトランス脂肪酸だけど、水素化油脂はそうじゃないって事じゃないですか!

家に帰ってネットで調べると、
「水素化油脂は人体に害がない」
「2007年1月からCriscoのショートニングもこの水素化油脂に切り替えた」
と書かれてありましたが、こんなサイトもありました。

「製造法は部分水素化油脂と全く同じ方法で、毒性の高いニッケルを使って大豆油に圧力をかけて水素と化合させたもので、自然の植物油とは性質が全く違うもの。トランス脂肪酸が入っていないからと言って安全だとは言い切れない」

「水素化油脂( fully hydrogenated oil)はトランス脂肪酸ではないが、硬化油にかわりはなく、血糖を20%も上げて同時にHDL(善玉のコレストロール)を下げてしまうので、部分水素化油脂よりも悪質である」

折角、部分水素化油脂が悪いとFDAも認識して加工品に表示されるようになったのに、代わりにそれより悪い水素化油脂が使われるのであれば、全く意味が無いではないか! それどころかもっと悪いではないか!

そういえば3ヶ月ほど前に
レストランで一日中、マーガリンを使って料理しているシェフがマーガリンが高温になった時発生するガスで肺細胞を破壊されてしまった事がニュースになっていました。 この方は一生肺気腫の様な状態です。

水素化合で作られた油は灰色でネズミも食べないような物質ですから、それを美味しくさせるためには更に色々な風味付けや脱色がされます。その風味付けになるものが高温でガスになった時、肺細胞を壊すらしいのです。ニュースではマーガリンをフライパンで溶かす時や、パケッジ入りのポップコーンを作る時は、なるべく匂いを嗅がない様にと注意を促していました。あの便利なPamも。多量に使う時は厨房の換気を徹底する事や特別のマスクを使う注意などがあげられていました。

部分水素化油脂=トランス脂肪酸が使われなくなったと思ったら、今度は水素化油脂の出現。これが禁止になるまで、又あと何年待たないといけないのでしょうか。

トランス脂肪酸って聞いた事がありましたか?
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追記:日本では使用禁止にはなっていませんし、表示も課されていません。理由は欧米人より使う量が少ないからだそうですが、それは全体の話であって、使う人は使うわけですから、表示は必要だと思うのです。
 
情報源:
Crisco(英語)

トランス脂肪酸(日本語)