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カリフォルニアの原発(Diablo Canyon と San Onofre)を全て止め、再生可能エネルギーを進める決意表明案がバークレー市議会で6月19日に投票されます。 
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●メールやフェイスブックで、ツィッターで友達に知らせる
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 思わず、小包に貼られている切手の数を数えた。こんな小包を見たことない。
切手に包まれた変な小包だ。フリムン徳さんの人生で初めてのことである。

80円の切手が67枚、20円切手が2枚、全部で69枚の切手が貼られてる。縦横高さ32x40x32センチの大きな段ボール箱の小包。これは小包ではない、切手包みだ。 

 いったい誰が、何のために、小包の中身は何だ?
開けてみたら、一番上に葉書大のピンクのメモ用紙が目に飛び込んできた。
「徳市にー、初美ねー、今回はお世話になります。ほんまにありがたい!!
ウェディングドレス、先に送りますので、到着次第、ドレスだけ、ハンガーに吊るしていただければありがたいです。よろしくお願いします。H24.1/23みち子」と、書いてあった。大阪の郵便局で働いている妹のみち子からである。フリムン徳さんはこんな気配りのできる妹が大好きである。

 アメリカで二人だけの写真結婚式をするためのウェディングドレスである。
みち子の次男坊の圭輔夫婦は籍も入れて一緒に住んでいるが、まだ結婚式は挙げていない。それで、アメリカで、二人だけの写真結婚式を挙げたいと言う。
それも、フリムン徳さんと初美が通う山奥の小さな古びた教会がいいと。その教会は、圭輔が何年か前にフリムン徳さんのところを訪れた時、その雰囲気が気に入ったようである。

 「じゃ、うちの牧師さんに頼んで結婚式を挙げよう」ということになった。ところが、翌日大阪から電話が入った。
「日本で、仏式で本式にやるので、アメリカで、クリスチャンの牧師の前で誓いを立てるのはよくない」。嫁さんの両親の意見である。
そこで、牧師抜きで、教会の内と外で写真だけ撮って、結婚式の証とすることになた。結婚式の写真にこだわるのは、男か、女か。

 ウェディングドレスはみち子の手作りである。みち子はいつもにこにこ顔であるが、その妹が、神妙な顔で、夜なべしながら、丁寧に針を通している姿が目に浮かぶ。

みち子はどんな気持ちでドレスを縫ったのだろうか。
「この姑はあなたが幸せになることを願っていますよ。早く孫を授かるように…」
花嫁衣裳のドレスを縫う親の気持ちは清らかなのに違いない。

 小包が届いて3日後に日本から、お二人さんは顔に切手も貼らずに、アメリカのフリム徳さんの家にやって来た。 フリムン徳さんの山の中の小さな教会は普段は誰もいない。正面玄関の両開きのドアには鍵はかかってなくて、いつも開放されている。フリムン徳さんは、白いウエディングドレスに包まれた花嫁さんとモーニング姿の新郎を招き入れるために、おもむろにドアを開けた。

 天井も壁も茶色の古いアメリカ杉で張り巡らされた教会の中。光沢のある白いウエディングドレスに包まれた新婦は光り輝いて見えた。説教台にはいつもの牧師さんの姿はない。圭輔と新婦がはにかみながら説教台の前に並んで立っている。それを眺めているのは、フリムン徳さんと初美だけである。こんな結婚式は初めてやきっと、キリスト様も片目をつぶって、ニヤニヤしながら見ていることだろう。

キリスト様、お許しくだされ!!

 フリムン徳さんと初美は、にわかカメラマンにさせられた。同じ場面を何回も撮らされた。親戚や友達のカメラをぎょうさん持って来ていて、順に撮っていくのである。
花婿さんは、花嫁のドレス姿を撮りまくっている。何しろ写真を撮るためにアメリカまでやって来ているのである。二人にとって、一生の思い出の写真になるだろう。

 それにしても、フリムン徳さんの甥坊は変わった結婚式をやる。いや、彼の母親みち子の結婚式も変わっていた。日本の有名人、黒沢某がアメリカで式を挙げたガラスの教会だった。どうやら、どっちもフリムン徳さんと同じDNAを持っているようである。モントレーの山の田舎の小さな教会の中で、新郎新婦とフリムン徳さん夫婦の四人だけの結婚式。ウエディングドレスに包まれた新婦は光り輝いていた。

by フリムン徳さん
プリムン徳さんはエッセイ本「フリムン徳さんの波瀾万丈記」を出版されています。

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今日もフリムン徳さんのエッセイをお読みくださり有難うございました。
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