【拡散お願い】第二次締め切り2013年3月5日 緊急署名

福島原発事故に関し、厳正な捜査と起訴を求める署名:
福島県内で被曝(ひばく)した住民を中心に1万人を超えており、事前の安全対策を怠ったほか、発生後に避難に関する情報を適切に公表しなかったことで重大な被害を招いた等を訴えています。 徹底した責任追及を求めます。 結果はこれからの原発安全基準にも影響を与えるでしょう。

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変わり行くパソロブレスの町

これだけ世界がグローバル化になっても、アメリカの白人は異人種を避けて、逃げまどうのだろうか。白人が大半だった町、パソロブレスに異人種が増えだした。

パソロブレスとはスペイン語で「ナラの木の峠」という意味で、昔、メキシコの領土であった名残の町である。この町にフリムン徳さんと嫁はんは,ほぼ1週間に1回買い物に行く。家から、フリーウエイ101を南へ、ロスアンジェルス方面に向かって時速110キロで飛ばして、約30分のところにある。南のロスアンジェルスと北のサンフランシスコを結ぶこのフリーウエイ101が町を西側と、東側に分けている。西側は古い町で、ラテン系の人口が多い。東側は白人系の人口が多い。

フリムン徳さんの知っている限り、カリフォニアの古い町には低収入のラテン系の人や黒人さんが多いようである。英語があまりできない日本人の一世もいる。
「町に異人種の人口が増えると、郊外に新しい町を造って移り住んでいく、これが白人の運命だ」と、昔、ロスのアーケーディアに住んでいたころ、隣の白人の親友エディが言っていたことを思い出す。
ところで日本人の一世は英語が達者でないから、仕事が見つけにくい。そう簡単にはどこへでも引っ越しができない。メキシカンが増え、メキシカンの町になっても、そこに住み続けるしかない。

フリムン徳さんがパソロブレスの郊外ブラッドレーに来たのは16年前だった。 パソロブレスのスーパーマーケット、ウォールマートは白人の買い物客でごったがえしていた。ところが今はめっきり白人の買い物客が減った。ラテン系、アジア系、アラブ系がほとんどになってしまった。店内で聞こえる会話はほとんどがスペイン語である。メキシカンは白人より声高に話すからスペイン語ばかりが聞こえるのかもしれない。町のほぼ中央にある小さな公園も、以前は白人の子供連れが多かったが、もうほとんど、メキシカン(ラテン系)の親子連れになっている。どうしてこんなにメキシカンが増えたのだろうか。買い物に行く度に嫁はんとの話題になる。「ワイン畑が増えて、メキシカンの労働者が増えたからだ」との結論になる。

助平のフリムン徳さんは別嬪の白人女性の買い物客を見るのを楽しみしているから、最近は、ウォールマートで買い物をするのが、あまり面白くなくなった。 たまには、パソロブレスの町からさらに南へ15分ほどの町、テンプルトンのトレーダージョーという小さなマーケットへ行く。店は小さいが、ここがホンマのアメリカだと感じられる場所だ。店に入った途端に、白人が目に飛び込んでくる。

「オーッ、白人ばかりや、メキシカンが見当たらない。気持ちええなあ」
と、口には出さないが、感じてしまう。人権の面で人種差別になってはならない。 フリムン徳さん夫婦もジャパニーズだ。人権や人格の面で白人に劣っているとも思わないし、卑屈にもなっていない。でも見た目では白人にかなわない。 それには劣等感に通じる。理屈ではなく、感覚としてそう感じてしまうのでどうしようもない。感覚には逆らえない。

白人は顔立ちが綺麗、鼻が高い、目がパッチリと大きい、白い歯並びがきれい、体格がいい、金髪がいい、白い肌色がいい。テレビや映画に出てくる綺麗な女優さんや男前の俳優さんを見ている時のように良い気持ちになる。

トレーダージョーに入って、買い物をしながら考える。「オヤオヤ、肌色の違う、背の低い、東洋人がいる。彼らが買い物に来る店ではないのだが」と思っている白人もいるだろう。でもフリムン徳さんはそれを承知で、白人の来る店に買い物に来ているのである。一部の白人は黒人、東洋人、メキシカンに目に見えない人種差別をしているのは知っているし、白人から聞いたこともある。 日本人のフリムン徳さんは、白人には劣等感を持っていながら、メキシカンを少しだけ差別している。

でもフリムン徳さんは人種に関係なく親切な人は好きである。めったに見かけないが、大きな白人が背の低い東洋人やメキシカンに、親切にしている姿を見るのは、親が子供をあやしているようで、微笑ましく、気持ちいい。そんな白人女性に、たまに、「有難う」と日本語で言われると、心から嬉しくなり、人種を忘れて、日本人の別嬪女優と友達になったような気がする。

メキシカン批判になって良くないが、メキシカンから、「有難う」と日本語で言われた経験がない。昔、フリムン徳さんが大工だったころ、雇っていたメキシカンは、スペイン語が世界一だと言って、英語の国アメリカにいながら、英語を習おうとしなかった。ボスのフリムン徳さんがスペイン語を習って彼らに合わせるしかなかった。ましては、日本語の「有難う」を彼らの口から期待するのは無理というものだろう。

隣にチコという友人がいる。チコと聞くと日本流に考えれば、女の名前のようだが、れっきとしたアメリカ男性の名前である。チコは、顔立ちは日本人だが、色は黒人で、髪の毛もちぢれている。母親は日本人で、父親は、黒人とアメリカインディアンの混血である。彼は元、フリムン徳さんの住むモントレー郡の町、サリーナスの警察官だった。彼は言う、「サリーナスはメキシカンがものすごい勢いで増えている。留置場に入ってくる多くがメキシカンで、彼らには法律を守るという意識が全くない。警察としてもお手上げだ。そのうちカリフォニアは、無法のメキシカンに乗っ取られてしまうよ。その前に、メキシコに売ったら良い」。

アメリカの胃袋を満たす野菜の大生産地サリーナスバレーは、アメリカなのに、農場で働く労働者は白人ではなく、ほとんどがメキシカンだ。メキシカン労働者は増える一方だ。エディが言ったように、パソロブレスの白人もまた郊外へ移って、白人の町を造っていくのだろうか。パソロブレスも変わってしまった。

by フリムン徳さん

プリムン徳さんはエッセイ本「フリムン徳さんの波瀾万丈記」を出版されています。

2011_10_07_tokusan


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